⋆⸜꙳⸝⋆


かなりご立腹の様子のお母さんが、今、目の前にいる。


蔵にいたところを見つかった後、我が家のリビングに光希も連れられて来た。
私達は萎縮して、表情を強張らせながら、黙って母の様子を伺っていた。


普段は割と穏やかだけど、怒っている時のお母さんは、とにかく怖い。



「———で?
2人はなんで蔵にいたの?鍵は?」


沈黙を破ったのはお母さんだった。
ご立腹の様子で淡々と言葉を放つ。


「・・・・・叔母さんには正直に言うけど、鬼の子の呪いを解く方法がないか探してたんだ」


私が言葉に詰まっていると、母の威圧にたじろぐことなく、光希がはっきりとした口調で代わりに答えてくれた。


「呪いを解く方法?そんなもの・・・・・」

お母さんの顔は引き攣っているようにも見えた。
顔をひきつらせたま、はっきりと繰り返す。



「呪いを解く方法なんて、ないわよ」


「でも、鬼の子のことが記された書物に破り捨てたページがあったの。その破れはまだ新しくて・・・・・」


ピクッと眉が動くのが見えた。そして、困ったように息を吐いた。


「はあ、あなたたち、今後蔵には立ち入らないこと。今回の件はお父さんには黙っててあげるから」


「で、でも!」

私は納得がいかずにもう一度伝えようとすると、必要以上に強い口調で否定された。


「でも、じゃない!自分達のしたことが分かってるの?もう同じこと言わせないで」


そう言ったお母さんは、私の目を見てはくれなかった。