「一体何のために・・・・・?」


私達は表情を強張らせて、全員顔を見合わせた。


「何のためって・・・・・、鬼王(きおう)家のなにかを調べたい奴がいるってことだろ?」


誰が何の目的でこの蔵に・・・・・。
鬼王家の人間だとしたら、お父さんかお母さん、叔父さんか叔母さん?

鬼王家の人間じゃない人物だとしたら、どうやってこの蔵に・・・・・。



———数秒間の沈黙が続いた。  


私は頭をフル回転させて、考えてみたけど答えは見つからなかった。


「・・・・・このことを追求するのは、後にしよう。
叔母さんと叔父さんが帰ってきちゃうかもしれないから、鬼の子の呪いが書かれた書物を探す方が先だよ!」



光希(こうき)はそう言いながら、棚に積まれた書物を手に取り調べている。


「そうだね!今は調べるのに集中しよう」


私も棚に積まれた書物をペラペラとめくりながら読んでいき、鬼の子の呪いの手掛かりを探す。


表紙のないヨレヨレの書物や、黄ばみが強くて字が消えてしまっている書物も多かった。

200年以上前の書物なので、時の流れには逆らえないということか。