教室のドアを乱暴に開く音が耳に届いた。




「茜??!
どうした?!大丈夫か?」


焦った表情で駆け寄ってきたのは光希だった。

私が涙を見せることは今までなかったので、よほど驚いたのだろう。普段は優しい表情の光希が、見たことのない険しい表情をしていた。



「・・・・お前が泣かせたのか?」



荒げた声を(つな)くんに向かって投げかけた。
言葉を荒げる光希の姿は初めて見たので私も驚いて固まっていた。



「俺のせい・・・・・・かもな?」


ポツリと囁くように言った。
何故、綱くんは誤解を招くようなことを言うのだろう。私の頭の中にたくさんの疑問符が浮かび上がってくる。