「おーい。入ってきていいぞ」



担任の言葉と同時に教室のドアが開く音が聞こえた。


教室に入ってきたのは、長身でスタイル抜群の男子だった。色白で中性的な顔立ちをしていて、怖いくらいに綺麗な顔をしていた。


軽くパーマをかけた髪は、お洒落で綺麗な顔を引き立たせている。


クラスの女子達は、同級生の男子とは違いすぎる容姿の転校生に、興奮し騒ぎ立てる子もいれば、顔が綺麗すぎてうっとりとした顔で眺める子もいた。



こんな綺麗な顔の男子は見たことがなかったので、私も驚いてつい見入ってしまった。




ずっと見つめてしまった為か、転校生と目があった。
———思わずドクン、と心臓が跳ねた。




悪口、中傷を言われ続ける人生だったので、まともに喋る男子は光希しかいなかった。

光希は子供の頃からずっと一緒にいたので、目が合っても、ドキッとすることなんてなかった。


こんな風に他人に対して、感情が動くのは初めてだ。分かりやすく動揺していた。