病室に入ると目に飛び込んできた、綱くんの姿に思わず息を呑む。そこにいたの、私の知っている彼の姿ではなかった。


肌の色は変わり果て、1つだった点滴の数は右手に2本、左手に1本、足に1本と増えていた。1日でこんなに顔つきも体つきも変わってしまうのかと、驚きと息が苦しくなるほどの動悸に襲われる。


頭では理解していても、心では理解しきれてなかったのかもしれない。この日が来るのはわかっていたはずなのに、受け止め切れない。


胸がえぐられるように痛い。例えようのない絶望に胸が締め付けられた。泣くのも忘れて立ち尽くしていた。


綱くんが死んでしまうかもしれない。
恐怖が黒いモヤとなって心を覆い尽くす。


このまま彼が死んでしまう、
そんなのいやだ。





———気付くと体は勝手に動いていた。