何か考えてるような顔をして数秒の無言が続く。そして、難しそうな顔をしながら言葉を発した。


「茜、ここからが1番の問題なの。
200年前の出来事だから、生存者がいない。
証拠はそれぞれの書物のみ。どちらも、"確実"な証拠がないの」


「つまり・・・。鬼の子の呪いが、
接吻(キス)された者は死す』
『接吻された者は命を授かる』
どちらの呪いが"真実"なのか、分からないってこと」


全身を駆け巡った希望が、一瞬で消えて無くなった。希望を持ってしまった反動で、頭が揺れるようにショックを受ける。

いくら調べても、どちらが本当かは分からなかったらしい。綱くんの命を助けたくてキスをしたら、私の手で殺してしまうかもしれないってこと?

そんなこと・・・、出来る訳ない。そんな勇気は何処にもない。