鬼の子






「鬼の子の呪いについて、茜に話さないといけないことがあるの」



  "鬼の子の呪い"

その言葉が耳に届くと、ドクン、と心臓が跳ね上がった。私からは切っても切り離せない、鬼の子の呪い。


「茜達が(くら)に忍び込んだことあったでしょ?あの時に言ってた、破られた書物。・・・あれは、お母さんとお父さんが破ったものなの」

「えっ?」


自分の中の記憶を辿る。鬼の子の呪いを解く方法を探しに、綱くんと光希と蔵に忍び込んだ時の記憶が頭の中で再生される。その時に見つけた書物で、破り取られた形跡の残る書物を発見したことを思い出した。

破り取られた形跡の色褪せが、他と比べると少ないことから、綱くんは最近破り取られたんじゃないか。と疑っていた。

まさか、その予想が的中していたなんて。しかも、その犯人はお母さんとお父さんだった。
その事実に驚かずにはいられなかった。



「言わなくてごめんね。破り取ったところには、鬼の子の呪いについて記されていたの」


「・・・なんで、破り取ったの?」


「それはね、私達が知らない、鬼の子の呪いについて記されていたからよ」