「俺、もう茜に何もしてやれねぇよ?」 「・・・・・うん」 「机に落書きされても、消してやれない」 「・・・うん、自分で消す」 「学校で虐められても助けてやれないし」 「・・・うん、これから虐められたら、自分で言い返す」 「俺といたって、プラスになることなんて、ないぞ?」 「そばにいられるだけで、私にとってはプラスなの」 「なんだよ、それ」 言葉に詰まらせながら、上を見上げて目を真っ赤にしていた綱くんは、涙を見せなかったけど、体は小さく震えていた。