「あの・・・・・」
「あのさ・・・・・」
同時に言葉を発するとお互いにピタッと止まり、視線が重なった。しばらく私の様子を伺うと、先に口を開いたのは綱くんだった。
「・・・・ごめんな、昨日、あんな言い方して。
まさか、自分がドラマで言いそうな台詞を言うことになるとはなあ」
おどけた声でいつもの笑顔をみせてくれたので、緊張で引き攣っていた顔は自然と笑顔になる。
「母さんに、全部聞いたか?」
「・・・・う、うん」
「そっか、いつまで今の状態を保てるか分からねぇし、明日には、体が動かなくなってるかもしれない。今日で喋れるのは最後かもしれない。
そんな、明日にでも死にそうな奴のために、会いに来なくていいんだぞ?」
目を真っ赤にしながら話す綱くんの姿を見て、この現実を受け入れた後も、私の考えは変わらなかった。
「綱くんのためじゃない。私が会いたいの。
だから、会いにくるのを許して欲しい」
———伝わって欲しい、私の気持ち。
伝わるように、まっすぐ視線を向ける。



