「この土地に引っ越してきたのは、夏が始まる前だった。他の病院もたくさん回って、ここの先生が最後の頼みの綱だったの。それがもう手の施しようがありませんって言われた時、綱は荒れて荒れて、大変だった」
「・・・・・・」
「そしたら、いきなり学校に行きたいって言い出すもんだから、驚いたけど、最後に普通の生活がしたい。ってお願いされて、2学期から転入する事になった。行かせて良かったわ。そのおかげで、茜さんと出会えて、病気と向き合えたんだもの」
「そんな事が・・・・・、私何も知らなくて」
初めて会った時から綱くんは、自分が死ぬことを分かっていたなんて・・・・・・。もっと、早く気付いていたら、何かできる事があったんじゃないか。
助けてもらうばかりで、私は何一つ助けてあげられなかった。
後悔の念が心を押しつぶす。



