光希と別れた帰り道を、トボトボと1人で歩く。




初めて「好き」と自分の感情を言葉にした。
口に出してしまった途端に不安な気持ちも強くなる。


私が「好き」なんて感情を持っていいのだろうか。鬼の子(わたし)は誰かを好きになる権利なんて、ないんじゃないだろうか。


一度認めてしまったら、「好き」の感情を抑えることが出来ない。




光希を好きになれていたなら、私がもっと早く光希の気持ちと向き合っていれば、こんなに悩む事はなかったのかな・・・・・。

そんな、いくら考えても意味のない、たらればを考えてみたけれど、答えは見つからない。



ぼーっと考えながら歩いていると、いつのまにか家に着いていた。