下ろす時に顔が近付き、ゆっくりと視線が重なり合った。あまりの距離の近さに、ドクンと心臓が跳ね上がる。
「・・・えっと、とりあえず、おめでとう!お疲れさん」
「・・・ありがとう。綱くんのおかげだよ」
「文句の野次がうるさい中、頑張ったな」
「・・・・それも、綱くんの声が届いたおかげだよ」
「ははっ、茜が強いんだよ。俺はなにもしてない」
そう言って笑う綺麗な横顔に目を奪われた。
球技大会に初めて出れた興奮が残っているのか、隣にいる彼のせいなのか、私の心臓はドキドキとずっとうるさかった。
「また、いろいろ言われそうだな」
「そうだよ・・・・なんで、あんなに人がたくさんいるところで、お姫様抱っこなんか・・・・・」
「お前怪我してるだろ?腕引っ張って連れ出そうかとも思ったけど、怪我してるし、あの人混みだったから、もうめんどくせぇ!ってなって気付いたら抱えてたわ。ははっ」
豪快に口を開けて笑う綱君に、私は半分呆れ顔だ。
「それにしたって、お姫様抱っこは・・・・・」
「・・・悪い。嫌だった?」
とびきり優しい声で聞くものだから、胸がキュッとなり、これ以上は文句を言えなくなってしまった。



