「おい!正々堂々とやれ!」
「スポーツマンシップに反するぞ!」
「鬼王は棄権しなくていいから!」
コート外からヤジが飛ぶ。フォローの言葉を投げかけてくれたのは、バスケを応援していたクラスメイトだった。
私のことをフォローする言葉に、その声援に答えるように俯いていた顔をあげて立ち上がる。
「スポーツマンシップに乗っとれ〜」
「気にすんな!シュート打て!」
「鬼の子、シュート上手いじゃん!」
「肩大丈夫か?」
「やり方が汚いぞ!」
コート外のクラスメイトからだけだった声援は、次第に広がり、他のクラスの生徒も私に向かって言葉を投げかけてくれている。
私に対して、中傷の野次を飛ばしていた人達が、手のひらを返したように、今は声援を送ってくれている。
だいぶ注目の的となっているが、突き刺さる視線が嫌ではなかったのは初めてだ。
今まで私に向けられてきた視線は、悪口や中傷を言われた時で、嫌な記憶しかなかった。
———そんな私が、今は応援されている。
応援されて、嫌な気持ちになる訳がなかった。



