「恭ちゃんカバンありがとう!腕大丈夫だから心配しないで!また明日ね」
「…あぁ」
恭ちゃんにはまた別でちゃんと謝ることにして、今度は私が棗の腕を引っ張った。
このままいくと殴り合いでも始まりそうな雰囲気だったので仕方ない。
棗も恭ちゃんもそこまではしないと思うけどさ…
平和主義の恭ちゃんと無気力代表の棗。
なんでこんなにも相性が悪いのだろうか…
「恭ちゃん、悪い人じゃないよ」
「…は?あいつの肩持つの?」
「いやそういう訳じゃないけど、恭ちゃんも大事な友達だからもう少し仲良くしてくれたらなって」
「俺お前のそういうとこ嫌い」
「……え?」
酷く冷たい棗の声に息が詰まる。
嫌いって、言われた
それだけで心臓が止まったように、息ができない。



