【咲鈴side】



「棗がモテている…」


「すごいねぇ、前からだったけど最近は特に」





呼び出しには絶対に応じない棗。



そんな棗に、女の子たちはあの手この手を使って告白をしているのだ。


先生が呼んでるよ、と連れ出してみたり

下駄箱に手紙を入れてみたり

廊下や曲がり角で待ち伏せしてみたり。





「いやちょっと待って、私彼女だよね!?」



「そうみたいだけど、誰も信じてないって感じじゃない?」



「うっ…」






あれだけ一緒にいた、というか付きまとっていた私は1ヶ月近く経つ今でも棗の彼女だと信じられていない。


まあみんなの前で付き合うことになりましたー!なんてことはしてないせいで、中途半端に広まってしまったからかもしれないけど…





「私彼女に見えないかな…」



「自信持ちなよ、飛鷹くんの隣歩いてる女の子なんて咲鈴だけでしょ?」



「元々隣にいたから何も変化がないのかもしれない…」