「てかてか柏崎って長いからやめてって言ってるじゃん」


「えぇ……じゃあ柊一くん?」


「その呼び方は俺のキラキラ度についてこれてないから10年後から許可」


「なにそれ」




柏崎くんが言うに、


『柊一という大人びた名前は今の金髪ちゃらちゃらな自分にはそぐわない。
10年後いい具合にダンディーになったらそう呼んでくれたまえ。』




らしい。


よく分からないけど、名前嫌いなの?と聞いたら両親がつけてくれた名前なんだから世界一いい名前だと思ってるよん

なんて模範解答。




名前が気に入らないんじゃなくて、今の自分にはまだもったいない名前なんだとか。


じゃあ金髪やめればいいのに…とか言ってもきっとまたなんかしらの理由で返されるから言わない。




「がらにもなく悩んでそうな顔して何?」


「がらにもなくって何さ、私だって結構人生深々と考えているのです」


「今日の晩飯と明日の弁当の具くらいだろ」


「え、なにエスパー?いや以心伝心?やっぱり結婚す」
「しない」




そんな食い気味に否定せんでもいいじゃないか。


まったく、うちのダーリンはツンデレなんだから。