現在棗と一緒に課題をやるという名目で私の部屋に連れ込んでいるところ。



私と棗はあれから別れることも無く、順調に愛を育み高校を卒業した。




そして花の女子大生――になったのはいいんだけど、棗は当然私より頭が良くて当然将来の目標もハッキリしているので、当然当然大学は別々。



一緒のところ受けます!なんて軽口を叩けるレベルの大学じゃないから努力すらする気になれなかった。




そんなこんなで私は地元にある普通の大学に。

棗は地元から2時間ほど離れ広く名の知れた大学に進学した訳だ。




「やっぱり一緒に住もうよ棗〜」



「大学離れてるし現実的に考えても今は無理。そんな金もないだろお互い」



「ぐええぇ」

「もっと可愛く泣いてくれ」





高校を卒業する時、私は自然な流れで同棲をスタートするとばかり考えていた。



だって棗は実家を出るって言うし、大学生って同棲するイメージがあったし。



でも棗に言ったら無理ってキッパリ断られてしまった。




『俺だってできるならしたい。でもできない。ごめん、もうすこしまってほしい』




棗が私にあんなに困った顔を見せたのは初めてだった。


遠距離なんて無理だよって泣きわめいたせいなんだけど…




重く捉えてしまったのか、授業とバイトで忙しい合間を縫って時間を見つける度に会ってくれている。



最初は純粋に喜んでたけど、いつも眠そうで疲れている棗を見るとこれが正解なのかと考えてしまうようになった。