【咲鈴side】




「拝啓――棗様。そちらの世界はどうですか?棗のいない毎日は色を失ったように全てが灰色で、私はまだ止まった時の中にいます」




「……俺死んでないけど」





机にうなだれる私。


それをまるでゴミを見るような目で睨む棗。




間違いなくその目は彼女を見る目ではない。絶対。





「たった2週間会わなかっただけだろ」



「たった!?2週間だよ2週間!私たち会わなかった再長期間1週間と6日だからね!?」



「誤差だろ」

「大差だよっ!!」





証拠を見せようと高校生の頃付けていた棗に会えた日チェックリストを見せようとしたけど、気持ち悪いからやめろと制され私はまた机に項垂れる。



気持ち悪いってなんだ。私の愛の結晶を。




今思えば付き合う前にしてはちょっと…いやだいぶ重たいかもしれないけどさ


若気の至りというかなんというか、で許して欲しい。




「このままジメジメうじうじしてるなら帰るけど」



「やだやだむりむりむり。また1週間以上会えないなんて耐えられない」




テーブルに広げていた筆記用具を片し始めた棗の手を押さえつけて筆箱没収。




案の定懐かしのマリアナ海溝ため息をついてベッドフレームに寄りかかる棗。

ああ今日もかっこいい。