柏崎くんは悪くない。
疲労のせいもあって私の思考が追いつかなかったのが悪いんだ。
そもそもこの件だって私がひとりで空回りして病んで泣いて過呼吸になって…
「私どこまでもかっこ悪いね」
「いいだろ別に、女なんだから……」
「恭ちゃん…?」
ベッドサイドに立ち寝癖のついた私の髪を優しく撫でる恭ちゃん。
その表情は曇っていて、傷ついて無理して笑っているようにみえる。
いつもの爽やかさはどこにもない。
「やっぱり咲鈴には俺じゃ足りないんだよな」
「…っ、そんなことない…!!むしろ私なんか…」
「それ、やめてよ。俺の好きな人貶すの」
「…っ」
恭ちゃんの心が泣いている
何となく、そんな気がする。
「…咲鈴が過呼吸起こして倒れたって電話した」
「…っ」
相手が誰かなんて、聞かなくてもわかる。
そんなのひとりしかいないじゃないか。



