3つある洗濯カゴを2つ持ってくれた柏崎くんと一緒に合宿所の中に戻る。
2人になるの、何気に合宿開始から初めてかもしれない。
棗の話…まだちゃんとしてないな。
柏崎くんもタイミングをうかがっているように見える。
「んな緊張しないでよ、なんも聞かないで欲しいなら聞かないよ俺だって」
「…柏崎くんってへらへらして見えて実は人のことよく見てるよね」
「それ褒めてる?ディス?」
「棗ほどじゃないけど、心読まれてる気がしてハラハラする」
柏崎くんの嘘くさい笑顔の裏で色々考えて動いてる感じがイマイチ掴めない。
不思議な人という一言で片付けてしまえば簡単だけど、もっと芯があるような
学力はあんまりだけど地頭がいい、そんなタイプなんだと思う。
だから時々怖いと思ってしまう。



