棗のことを考えたくなくて合宿に来たのになぜかそこには棗の親友、柏崎くんの姿があった。
当然バレー部でもなければ、マネージャーでもないわけで。
初日に姿を見た瞬間帰ろうとしたのを本人に気づかれて止められたんだ。
「あいつ本人じゃねえんだし、俺さりちの味方だから気にすんなって。なんなら俺に乗り換える?」
「大丈夫。あと汗だくで抱きつこうとしないで」
ランニング帰りでも容赦なくフレンドリーハグをかましてこようとする柏崎くん。
棗の目がないからって正直やりたい放題だ。
「柏崎、ぶっ飛ばすぞ」
「あらやだナイトの登場?さりちのナイトはもう既にいるよキョーチャンくん」
「キモイ呼び方すんな」
この3日間柏崎くんに絡まれる度に助けてくれるのはやっぱり恭ちゃんだった。
「俺に負けちゃったねランニング。悔しー?」
「は、昨日は俺の勝ちだろ」
「うん、でも初日と今朝は俺の勝ち」
「夕方5分差付けてやっから首洗って待ってろチャラ男が」
恭ちゃんのキャラ崩壊はさておき、なぜかこの2人仲が悪いんだ。



