「お前が嫌なら強制はしないけど、舞川ともちゃんと話したほうがいいと思う」
「…うん、わかってる」
「明日から俺部活出るし、舞川もいるから。マネージャーの件引き受けてくれるなら部活行こう。舞川と話せる時間も作るから」
「わかった…ごめんね、恭ちゃん」
俯けばわしゃわしゃと撫で回される頭。
もちろん犯人は恭ちゃんしかいないわけで。
「ごめんねじゃなくてありがとうの方が嬉しいって言ったろ。ごめん禁止」
「…ありがとう、恭ちゃん」
美紗とは話さないとなと思ってた。
それに夏休みだからと家にいても、きっとまた一人で考え込んでしまうから。
棗のことを考えなくて済むいい機会かもしれないと自分に言い聞かせることにした。
〈今日は助けてくれてありがとう〉
〈ごめんなさい、やっぱり少し距離置きたいです。〉
〈落ち着いたら連絡する。ごめんね〉
棗にそう送れば、すぐに既読がついた
それから返信が来ることも無く、私は翌週から4泊5日の合宿に参加することになったのだ。



