「棗のことすきすぎてしんじゃう」


「意味わかんない。しなれたら困るけど」


「困るの!?」


「困るだろ、ばかなの」




なんでなんで攻撃はかわされた。



好きだからだよ、って言わなくてもわかるだろってことかな

そういうことにしといちゃおう。




「好きだよ棗、私も困る棗に会えないと」



「……お前直球過ぎない?」



「好きなんだもん…ん」





私の好き好き攻撃を棗は片手で私の目を隠してやさしいキスで黙らせた。



最近よく目を隠される。

棗の顔みたいのに。




「手、ヤダ」



「ヤダ」



「うぬぬぬぬ!…あれ」





力を入れて無理やりはがせばそこにはびっくりする景色が。


そして私は石になる。




「見んな、ばか」


「〜っ!!尊…!!」





棗の頬がほんのり赤く染まっている。



目を隠した理由は赤い顔を見られたくなかったからってことだろう。




「尊いってやつ意味わかんないからやめろ」



「もはや私棗のヲタクなのかもしれない…」



「意味わかんねえ」





一瞬で元に戻ってしまったけど、初めて見る赤く染まった棗は一生私の網膜に刻まれた。



私だけ、誰にも見せたくないその顔を。