またキミに会うために~1400年の時を超えて~

「皇子は、赤兄さんのこと信じてる?」

「私は誰も信じぬ。特に、中大兄皇子の重臣などもっての他だ」

 __誰も。

 その答えに安心した自分と、傷付いた自分がいる。

 皇子が赤兄さんを疑っているのなら、一先ず安心だけど。

「案ずるな」

「うん」

「それと、私は明日から難波宮を留守にする」

「……え?」

 このタイミングで?

「ニ日程は、かかるであろう」

「……どこに行くの?」

 しかし、その問いは優しい笑みにかわされる。何も聞かないで欲しいと、これ以上は立ち入ってはいけない。そう言われているのがわかった私は、ただ口を閉じ皇子を抱き締めることしかできなかった。