またキミに会うために~1400年の時を超えて~



「皇子? いないの?」

 温泉から上がり久しぶりにうさ耳パーカーに着替えた私は、ご機嫌で部屋に入ろうとしたのだけれど中から返事が聞こえない。いないのかと思い、ゆっくりと部屋を覗くと……。

「いるじゃん」

 外を見て座っていた皇子が肩を揺らす。

「どうしたの?」

「優花殿か」

 どうやら考えごとをしていたのか、私だとわかると安心した顔を見せた。

「少し考えごとを」

「考えごと?」

 だけど皇子はそれっきり何も言わない。だから私は黙ってその隣に腰掛ける。

 言いたくないのなら、言わなくていい。だけど隣にいたいってそう思う。