またキミに会うために~1400年の時を超えて~

 そして、先にお寺に戻る皇子と家臣達を見送り私達の仕事は終わった。

 ……疲れた。

 侍女達の真似をして脱いだ着物を近くの木にぶら下げると、私はゆっくりと湯の中に爪先きを入れた。全身に広がる鳥肌。久しぶりのお風呂に感動した。

 未来では当たり前だったけれど、難波宮では身体を拭くだけだった。こうやって湯にゆっくり浸かれることは、本当に幸せを感じる。

「気持ちー」

 んー。と、伸びをすると露さんがクスクスと笑う。

「誠にございますね」

「皇子様の侍女で誠に幸せでございます」と、微笑む時雨さんに五月雨さんも二度頷く。

 まさか、この時代では一般の人は温泉には入れないの!?