またキミに会うために~1400年の時を超えて~

 朝餉のお粥を食べ部屋で少し休むと、皇子塩谷舎人コンビに私達侍女チームで温泉へと向かった。大岩さんと、境井さんはお留守番。

 住職さんから教えてもらった通りの茂道を歩くとすぐに温泉にたどり着いた。ある日突然、湧き出たと言っていたその温泉は天からの思し召しだという。

「これはこれは。立派だな~」

「そうでございますね」

 口を開けたままの私の隣で、皇子と侍女達が感動している。

「どうされました?」

 舎人さんの声が遠くに聞こえるのは、想像していた露天風呂とはあまりに違ったから。

 まるでジャングルの中の小さな泉のような。当然、洗い場も脱衣場もない。夜なんて、絶対お化けが出そう。