またキミに会うために~1400年の時を超えて~

 外の冷たい空気には、朝の匂いが混ざっている。

 どうやら担ぎ手の人は、一度休憩しただけであとはぶっ通しで歩いていたのか、もしくは寝ていたから気づかなかったのかはわからないけれど。

「お疲れでしょう。まずは朝餉を召し上がっておやすみください」

「皆さんの方こそ、お疲れ様です」

 まだ少しポーッとした頭を下げると、家臣と侍女の後について歩く。お邪魔したのは、昨日よりも古いお寺。普通の民家より、屋根が頑丈になった程度の造りでもこの時代では立派なのだろう。普通の身分ならば、だいたいは野宿で済ませるとさっき侍女から聞いた。