またキミに会うために~1400年の時を超えて~

「あ、ごめん」

 少しの休憩をとって動き出した輿は、どうやら山を越えたらしい。日中になると揺れは穏やかになり、思わずウトウトとする。揺りかごみたいで心地よい。

「良い」

 そんなカクカクと定まらない私の頭を、皇子は自分の肩にもたれさせる。

「少し眠れ」

 って、この状態!心臓に悪いんだけど!と思ったのは一瞬で、皇子の熱にだんだん安らかな気持ちになり瞼が重くなっていく。

 ちょっとだけなら、いいよね?

 ザクザクというみんなの足音と自分の鼓動の音を聞きながら、私はゆっくりと眠りに落ちた。