またキミに会うために~1400年の時を超えて~

 沈黙は気まずいけれど、変に話をしてこれ以上機嫌をそこねてしまうのは嫌だから。しばらく黙っていると、皇子は簾を上げた。

「見てみろ」

 視線の先には、淡い水色を燃やす赤が広がっている。

「……朝日が綺麗」

 いつの間にか、随分と山の上まで来ていたらしい。どうりで空気も美味しいわけだ。

「あれは、村?」

 身を乗り出すと、麓に茶色の点々が固まっている場所がある。
 藁でできてるのかな?
 お家というには、あまりにも質素な造りをしていた。