またキミに会うために~1400年の時を超えて~

「は、晴れてよかったね」

「そうだな」

 どこかぎこちない私に、朝餉の汁物を啜りながらニッコリと微笑む皇子の機嫌はもう治っている。私は安心して、残りの玄米を頬張る。

 お寺に来て知ったのは、いかに皇子の食事が豪華であるかということ。ここでは、朝も夜も一汁一菜。玄米と汁物とお好みで加える塩が出てくる。もちろんデザートもなし。食器も漆ではなく土器。

 驚いた私に五月雨さんが教えてくれた。それが、この時代の庶民の生活なのだと。いかに皇子の生活がリッチなのか改めて感じた。

「世話になったな~」

「ありがとうございました」

 私達は、ご住職に挨拶をし出発をする。きっと今は、早朝だ。空が朝焼けに染まる前の、淡い紺色をしている。