またキミに会うために~1400年の時を超えて~

 呆然としていると、私達は住職さんによって各々の部屋に通された。

 私と皇子は、当然のように同じ部屋。先に部屋に入ったのを見て、少し前を歩く塩谷さんに声をかける。

「塩谷さん。さっき、皇子を見て笑ってたでしょ」

「私ですか?」

 まさか、無自覚?

「さっき皇子が話していた時!」

「ああ」

 思い出したのか、塩谷さんが私の耳元で囁く。その言葉に思わず声を上げると、後に気配を感じた。

「そういうことですので」

 塩谷さんはニヤニヤしながら、赤くなる私の肩を叩くと去っていった。

「どうしたのだ?」

 振り返ると、部屋に入ったはずの皇子が仁王立ちしている。