「えっと、こうですか?」

「そう。上手」

 最初は恐縮していた五月雨さんだったけれど、少しづつ打ち解けてくれているのがわかる。私からしたらどこか麻美に似ているし、見た目年齢が一番近いから話やすい。だからもっと仲良くなれたら嬉しいなって思う。

「月では、このような遊びがあるのですね」

「私のおばあちゃんぐらいの時に、よくしていた遊びなんだって」

「そうなのですか」

 ニコリと笑う五月雨さんの指から、また紐を救い上げる。

「ねえ、皇子の側近さんってよく様子を見に来るの?」

 そして、気になっていたことを尋ねる。

 さっき側近の人達が皇子の部屋を訪ねてきたから、私は席を外している。