【短】自殺志願者に棒付きキャンディ



「話しかける前に失恋したのが悔しかったけど、まだ間に合うってことですよね?」

「間に合うって……?」

「好きな人がいるってだけなら頑張ってもいいんですよね?俺、頑張りたい。綾先輩が死にたくなくなるくらい、幸せにしたいです」

「っ……」

「綾先輩に俺を好きになってもらいたいです」



まっすぐすぎる彼の瞳がまぶしくて、無理やり心のモヤを飛ばされる。

こんなにまっすぐな人に出会ったことがない。



「だから、俺のことを好きになってもらえるように頑張ります!」

「でも……」

「もう死にたいなんて言わせない。俺は折れないです。負けないです」



さっきまで虚ろな瞳で自殺しようとした人とは思えない。

希望に満ちたキラキラした瞳。

正直、いますぐにとはいかない。

まだわたしは、この長年の恋をひきずると思う。

それでも、死にたいって思いがいまは一ミリもない。