狼の目に涙


「ついに彼女か!」

「だから!同級生だって…」

『三浪あこです。昨日は息子さんを勝手に泊めてしまって…』

「いやいや。それよりあこちゃん、こいつ変なことしなかった?」

「んなもんしてねぇよ。三浪にそういうの吹き込むなって」

『…変なこと?』

「お前は聞き返さなくて良い。すぐ戻るから、ここで待ってろ」


頭の上に大量のはてなを乗せた私を置いて、玄関を上がってすぐの階段を一段飛ばしで登って行った。

深いため息が聞こえた気もするけど、佐々原くんの言う通り親御さんには会わない方が良かったのかな。