主人公は私じゃない

部活が始まって、順番にコートに入って打ち合いをして行く。

それが終わったら、時間が来るまでずっと試合をする。

私たちバド部は、今年度から男女合同で練習しており、コートも体育館2階の1つしかないため窮屈だ。

だけど、この窮屈なおかげで私と岡たちを含めたメンバーで、試合の空き時間に作戦会議をしたりしている。

今日もそうだ。

他のメンバーが試合に入っている間に

私と岡と周と遅れてきた、綾田翔(アヤタ カケル)と溝口廉(ミゾグチ レン)の5人で話していた。

私「最近どう??まおとどんな感じ??」

悠「ん〜…どうなんだろー。わっかんないんよねぇ。」

翔「まあ、"まお"だもんねぇー。」

廉「難しいよねっ!」

廉はいつも、ほかの男子部員も打ち合いをしながら時々入ってくる感じだ。

私「私の方からも探ってはいるんだけど…難しいんよねぇ。」

周「鈍感だもんなぁ」

私「初恋もまだって言ってたし。恋が分からないって。」

悠「それな!」

まおは、可愛くてノリが良く、女子にしては身長が高く165cmある。
なにより、おっとりしていてる。
誰とでも隔てなく話せるタイプだ。

そして悠和も、顔がとても小さくイケメンで細身で身長も170cm弱のいい男である。

ただ1つ、欠点を言うならば"チキン"で"自分に自信がない"ところだ。

だから決して、自分からまおに押さない。

もうこれが私たちのような、悠和の気持ちを知ってるほかのメンバーにとっては、究極に絶妙にじれったいのである。