私は急いで救急車を呼んだ。
お兄ちゃんは救急隊員から見ても重体らしい。
「じゃあ、妹さん同乗お願いできますか?」
「はいっ・・・・」
私はとにかくお兄ちゃんが助かればいいと思っていた。
涙がこぼれてきた。もう不安でどうしようもない。
「おにいっ・・・・・」
救急車の中でお兄ちゃん、と何回も言った。
病院に着いた。大きな市民病院だった。
「大丈夫ですかっ?!」
医者が走ってきた。お兄ちゃんが救急車から降ろされる。
「頭部から出血多量のもよう!原因はまだ不明ですが、頭部を深く何かで切った様子が見受けられます!」
「分かりました!では急いでオペ室まで運びます!」
もう私は足が震えて歩けない。看護師さんが近寄ってきてくれた。
優しそうな若い看護師さんだった。
「大丈夫よ。じゃあこっちで待ってましょうね?」
私は待合室に行った。