「で、その後どうよ?新しい恋は見つかったかね」
「いやいや、そう簡単にはね。あいかわらずっすよ」
「怒涛の片思いのままかい?」
「うーん、まあ、大人なんで、落ち着いてはきましたよ。ときどき泣くけどね」
「あはは、やっぱ泣くんだ」
「そりゃねぇ。もう何も相手に求めるものはないし、私に興味がないってコトは理解してる。でもだからって、自分の気持ちを変えられるもんでもないもんね。なんでだろうね。なんで好きって気持ちって変えられないんだろう」
「永遠のテーマだよね、それって。相手に気持ちがないってわかったら、自分もやーめたって簡単にできればらくなのにねぇ」
「やけに今日はわかりあえますね」
「いやー、実はさ、私も落ちちゃったのよね、恋に」
「えええええーっ、そりゃーまたびっくりだね」
「なんでさ、アンタだって落ちるんだから私だって落ちたっていいじゃん」
「ま、そらそーだ。で?」
「仕事がらみで知り合った人、アドレス交換して、向こうから毎日毎日メールが来て、そんで一緒に遊びに行って、酔っ払ってキスして恋に落ちた。と、思ったら、向こうは去っていった」
「でたっ!いわゆるそーゆー奴だ。わかってたんでしょ?そうなるなって」
「まあねー。いるよねぇ、そういう奴。そしてわかっててひっかかるね」
「でもさ、若い頃はそんな人だと思わなかったのに、ってひっかっかってたけど、大人になるとそういう人だと思ってたっ・・・てひっかかるね。多少の進歩?」
「うーん、わかってんだからひっかかるなよ。って思うけどね」
「でもひっかかっちゃうのが女なんだよねー」