「時が流れたから」
「それだけ?」
「うーん。どうだろ」
「その恋をなかったことにしようとしましたか?」
「しなかった!一生忘れないって心に決めてた!でも他の人が現れて、いつのまにか忘れていったんだ」
「正解です。どんなに忘れないって決めていても、新しい恋がやってくれば前の恋は自然に思い出になるの」
「そうか、そうだねぇ。新しい恋?もうないだろー」
「じゃあさ、彼をずっと思い続けてたらいいと思う。それじゃだめなの?」
「・・・・・そうする。一生忘れない。ずっとずっと忘れない。毎日毎日、何を見ても何を聞いても思い出すよ。うん、そうする。そうして死んでいってもいいや」
「よし、それでこそ本当の恋だ」
「本当の恋、ね」            END