くやしいのかな。私のことは、ほんの気まぐれだったのに、葉先さんとはちゃんと付き合ってるから。いや、最初からそんなに大きなものは望んでなかった。いつも「これで終わりかな。それでもいいや」って思いながら、会ってた。
恋人なんて、望んでなかった・・・これは・・・うそ

本当は、ずっと一緒にいたかった。相談して休みを一緒に入れて遊びに行ってみたりしたかった。寝る前に電話で話したりしてみたかった。それがどんなに不可能なことかはわかってたけど、ちゃんと好きになってほしかった。好きだって、言ってほしかった。
それで、ちゃんと「もう二人では会えない」ってふってほしかった。

ちゃんとふってくれなかったこと。それが悲しい。本当に日陰君にとっては、ほんの気まぐれの、まったく恋愛とは呼べないちょっとした寄り道だったんだなぁ。そんなのははじめからわかってたけど。

また、いったりきたりするんだろうな。いつまでも。そのままおばあさんになって、最後に思い出すのが日陰くん・・・なんてのは絶対やだ。これは本当。あれが最後の男だなんて。冗談じゃないってば。やっぱやだ。ぜったいやだ。やだやだやだ・・・

ちゃんと、本当の、恋をしよう。また、いつか。