「わかるよぉーそれは。子どもって天使だけど悪魔だからね。子どもの笑顔で何もかもから救われるときがあるかと思えば、子供の態度ひとつでこの世は真っ暗闇になるもんねぇ」
「そーなんだよ。子どもが荒れて悩んでるときは、他のことなんてみんなどうってことなく思えるもんね。恋の悩みなんてかわいいもんさ」
「でもさ、仕事で疲れてさらに子どものことで悩んだりすると、余計誰かによっかかりたくなったりしない?」
「そーそーそーそーなんだよ。別に話なんて聞いてくれなくてもいいし、若い頃みたいに毎日会ったりできなくていいから、夜寝る前に、ほんのふたことみこと声が聞けたりメールしたり、たまーに会って、よしよしがんばってるねって言ってくれる人がいたらどんだけすくわれるだろうって思う」
「ホントだねぇ。そんな人がいてくれたら何だって乗り越えられちゃいそうな気がするなぁ」
「いつか出会えるといいね。そういう人に」
「うん、そうだね。でもさ、そんなこと考えられるようになったのも余裕なのかな。離婚したばっかりのころなんて生活するだけでいっぱいいっぱいだったでしょ?」
「うん、確かにそうだ。確実よくなってるってことさ。いろんなことが」
「そうだそうだ。がんばろう。たらふく食べて、ぐっすり寝て、また仕事だぁー」