「おや、どうしたの?今日はテンションひくいねぇ」
「あー・・・つかれちゃってさ」
「仕事?子ども?恋?」
「いっこめとにこめ」
「仕事と子どもね。恋に疲れるほど恋してないんでしょ」
「はぁ・・・毎日恋に泣いてたころが懐かしくなってきた」
「って、ついこないだのことじゃん」
「まぁねぇ。つらい恋から逃れたくて、一生懸命仕事に没頭して、幸か不幸か認めてもらえたんだか、ちょとだけ責任思い仕事についてさ、それが思いのほか疲れるんだよね。ほら、私って生まれ持っての下っ端キャラじゃん。指示だしたりしきったりっていうのが性に合わないんだな。きっと。まぁやるからにはがんばるけどさ」
「うん、下っ端キャラなんて言ってられないよ。それなりの経験重ねてきてるんだし、今の仕事が浅くても社会人として長いんだからさ、甘えてられないよ」
「うん、そうだね。ひきうけたことは必ず責任持ってやる。それが信条だった。やらねばならん」
「で、子どもは?」
「まぁしょうがないよ。思春期の反抗期の受験生の生理不順の暑くてイライラの女の子ふたりいたらさ。疲れきって帰ってきて、ちょっとしたことでぶちギレられて、叱るのもいやんなっちゃって、母としての自信もいっきに揺らいで・・・まぁ母としてなんてもともと自信のカケラもないけどさ」