「美也子さん、今週エスカレーター前のディスプレイ、ウチなんですけど、美也子さんとこの小物かりてもいいですか?」
「どうぞどうぞ、新しいのも入ったし、どれでも使ってください」

かわいい。にっこり、ひまわりみたいに笑うんだ。女らしいな。髪もかわいく巻いてて。ふくよかで、抱きしめたら気持ちよさそう・・・・

「よかった!ありがとう。それでね、ショップ名、ウチと美也子さんとこと両方書こうかと思って。隣同士だし集客につながるでしょ」
「うん、うれしいな。そしたら来週ウチのときも葉先さんとこの商品借りて合同でディスプレイしよう」
「うん、お互いセットで売れるようにがんばりましょう!

まじめで、一生懸命で、素直。仕事はできるけどキリキリしたカンジはしないな。癒し系。

「あ、この件ね、日陰さんには許可とってありますから」
「あ、そう」

さりげなく名前だすのね。許可とったのって、二人で会ってるときに話したのかなぁ。葉先さんの口から私の名前が出ても、日陰くんはなんにも感じないんだろうな。私は、葉先さんの口から日陰くんの名前が出ると、さすがにチクッ
とくるなぁ・・・

「葉先さんて、かわいいですよね」
「え、なんですか、いきなり。もうかわいいなんて歳じゃないですよ」

でも私より十歳以上年下じゃん。子持ちじゃないじゃん。ってそんなこと思ってもしょうがないけどさ。それでも日陰くんよりは年上か。年上で童顔で癒し系、ね。うんうん、なるほどね。