頭から血を流して倒れていたなんて言わ

れても、その時のことはよく覚えて

いないし、今も体がだるいだけで痛い

ところとかがある訳じゃない。

「……あの、あなたを発見してくれた

生徒の事なんですが……その方、心臓が

弱いみたいで……」

心臓が弱い……?

春日が俺を助けてくれたのか……?

俺の中心にいる人物の顔が頭に浮かんで、

反射的に視線をあげる。

医者は、悲しそうに身を伏せていた。