そこには、バッチリと二人で笑い合っている

ところが取られていた。

……全然気が付かなかった。

「乃亜はあんたみたいな地味な男子とは

釣り合わないのっ!もう乃亜に関わらないで!」

「……っ、つっ……」

ドンっと胸を押されて、バランスが崩れて

後ろに倒れる。

その時、運悪く屋上の柵に頭をぶつけて、

視界がぐるぐる回る。

「っ、え?」

ひどい頭痛に襲われて、頭を抑えると

ぬるっとした生ぬるい感触に違和感を感じる。

「わっ、私のせいじゃないんだからっ!」

血相を抱えて女子は逃げていき、俺は完全に

屋上に孤立する。

……っ、やばい……視界が……。

頭痛がひどくなると同時に、どんどん視界が

薄れていき、俺は完全に意識を手放した。