「ねえ」

それは、なんてことない一週間の真ん中の

日に起きたことだった。

「……俺?」

「そう、ちょっとついてきてくれない?話が

あるの」

男子が女子に呼び出されると言ったら、告白と

言うイベントしか考えられないけど、この

女子の雰囲気からしてそれはないだろう。

「分かった」

断る理由もなかったし、素直に女子の後ろに

ついていく。

……こっちって、屋上か……?

生徒って入っちゃダメなんじゃ……。

そう思ったけど、変なことを言って刺激したく

なくて黙っておく。

「……話って?」

なんだかいい予感がしなくて、自分から

切り出して早く終わらせようとする。

「どうして乃亜と話してたの?」

「……は?春日?」

「とぼけないで。昨日の放課後、二人で

話してるのを見たんだから」

「……っ、これ……」

苛立ったように眉をよせた女子が、俺に

向かってスマホを突き出す。