「花火しない?」

一学期の期末テストが終わり、明日から夏休み

に入るという今日。

いつも通り春日の愚痴を聞いていた俺の耳に、

突如現れたその言葉。

もちろんこれは俺が言ったことじゃない。

春日の発言だ。

「花火って……は?」

「いや〜。七瀬って、夏休みに予定が何も

なさそうだから、優しい私が誘ってあげてるの」

語尾にハートがついていそうな勢いで

そう言う春日。

「……」