甘い体温


それにしてもあの男は一体何を考えてるんだか……


私の私情を知った時も、まったくもって動じる事無く普通だった


逆になんか笑顔でかわされたし


私が今まで出会った奴らは私情を知ると、きまってみんな同じ、同情の眼差しで偽善の優しさを向けてきた


下手すら逆にそれを元に、あることないこと好き放題に影で言われてたっけ?



所詮人間なんて口では綺麗ごと並べても自分より下の人間を見ると変に自分に余裕がもてる小さい生き物


人間なんてみんなそう


自分が人より優位にたって初めて自分の存在価値を見出せる、そんなもの


あの男だって、笑顔を振りまいてるその裏で何を考えてるのか分かったもんじゃない!



…だけど一体



何が目的であの男は私に必要以上に関わってくるんだろうか?


私と関わったって、何のメリットもないのに……


まったくもって分からない


こんなに何考えてるのか読めない相手は初めてだよ…


そうだ、分からないと言えば、あの男が医者って言うことも信じがたい事実


あ~…なんだろう


なんかここの所、自分のペースが完璧に崩れてる気がする


『はぁ……』



ダメだ


考えてもらちがあかない!


とにかく後今日1日我慢して、朝になったらさっさとここから出て行こう


うん、そうしよう


ふとそんな事を思いながら仰向けになったその時だった


♪〜♪〜♪〜


突然着信のランプと共に、携帯が鳴り響いた