突然俯いた私に
『…果歩?』
陽生は不思議そうに顔を傾ける
『ほら、黙りこくってないで、とりあえず一口だけでも食べてみろよ…
じゃなきゃ、本気で口移しで食べさせるぞ』
『え?』
私は陽生の言葉に思わず顔を上げた
『わ、分かったよ。食べる、食べればいいんでしょ!?』
陽生がお粥を本気で自分の口に含もうとするのを見て私は慌ててそれを阻止した
こいつはたぶん本当にやる
それだけは絶対ごめんだ…冗談じゃない!
もう…やっぱりムカツク
なんで私がこんな男の言いなりに?
そう思いつつも
私はもうやけになって初めて食べるお粥を口の中にほうりこんだ
あれ?
なにこれ?



