甘い体温



『ほら』


『え?』


それから暫くして、私は突然口元に白っぽいふやけたものをつきつけられた


『…は?なによこれ…』


目の前にある湯気の沸き立つそれを訳が分からず見つめる私


『ん?お粥だけど?ほら果歩口開けて
とりあえずこれ食べろ…ほら』


『……』



……おかゆ?



思わず首を傾ける


あれから、「少し待ってろ」と私に言い残し、勝手にベッドルームを出て行った陽生


邪魔者が居なくなった後、一人になってほっとした私はもう一度寝ようとベッドでゴロゴロしていた時だった


再び陽生がベッドルームに何食わぬ顔して入って来たかと思ったら


突然お粥とか言うそれを突きつけてきて、今、私の目の前に差し出されているところ



『…お粥って何?』



ふと、私はお粥を見つめ陽生に尋ねた


こんなもの食べた事も無ければ見た事もない


これ食べれんの?